ネットゼロの未来に向けた製鉄事業の脱炭素化
国内のCO2排出量の14%を占める製鉄産業を我々のグリーンスチール技術によって、ネットゼロ産業に改革します。
従来の高炉による脱炭素化には限界があり、その解決策としてのグリーンスチール技術に注目が集まっています。しかしその解決策としての、「直接水素還元鉄」技術は、熱収支の技術的課題と水素電解のコストの問題が解決されていません。我々の「溶融塩水電解水素還元法」を用いれば、それらの問題点を解決し、低コストでクリーンな製鉄が可能になります。
この革新的技術を何とか実用化したいというのが、我々の願いです。
溶融塩による水電解技術
従来アルミ精錬等で使われてきた溶融塩技術は、溶融塩を電解することで金属を精錬するものでした。1980年に京都大学の伊藤靖彦名誉教授により発表された、「溶融塩中で水を電気分解する」という画期的な技術は、その特異な特徴とともに、新しい応用技術を生み出しました。それは、下記の特徴によるものです;
- 水の電気分解が常圧(1気圧)で可能なため、密閉容器が不要
- 熔融塩中での水電解は、通常の2/3の電力で水電解が可能
- 反応温度は、溶融塩の融点温度による
- 水と電気のみによって反応し、排出物は水素だけである
- 溶融塩は消費されずに、触媒として反応するのみで、再利用が可能
実験での鉄還元能力の実証

右図の実験設備(アイ’エムセップ株式会社)により、2022年に酸化鉄から鉄を還元(約85%と非常に高いFeへの還元効率)できることが実証されました。(一方同実験で、通常の水素ガスによるFeへの還元効率は12%でした。)
これは溶融塩中での水電気分解によって発生した水素ラジカルによる還元力の高さを証明しています。;